【8月29日 AFP】マーク・エスパー(Mark Esper)米国防長官は28日、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通告するまでにエスカレートした日韓対立について、「大変失望している」と述べる一方、「両国がこの問題を乗り越えると期待している」と関係改善を促した。

 韓国は、日本が輸出管理で韓国を事実上格下げする政令を施行したことについて、敵国扱いしていると非難していた。

 日本統治時代(1910~45年)の朝鮮半島(Korean Peninsula)の元徴用工をめぐる長年の論争をきっかけに、日韓両国は報復合戦を繰り広げてきた。

 輸出管理の優遇除外に対する報復を予告していた韓国は先週、GSOMIAの破棄を通告。日本と安全保障条約、韓国と相互防衛条約を結ぶ米国に懸念が広がった。

 エスパー氏は、「損得を考えれば、(日米韓が)協力した方がより多くの利益、価値、物事を共有できる」「協力を築いた上でこの問題を迅速に解決して前進し、われわれが必要とする重要な道筋に復帰し、短期的には北朝鮮、長期的には中国について真剣に考えることを期待している」と述べた。

 ジョセフ・ダンフォード(Joseph Dunford)統合参謀本部議長も同じ記者会見で、現時点では韓国のGSOMIA破棄通告による軍事活動への影響は見られないと述べたが、エスパー氏と同様に懸念も表明した。(c)AFP