【9月21日 AFP】カナダ南東部に広がる森林のうっそうとした木々の下に設置された80張りのテント。内部には羽毛ベッドやシルクのシーツ、電灯、ミニ冷蔵庫、食器などが完備されている。

 そのうちの一つで取材に応じた仏企業ユートピア・グループ(Huttopia Group)の共同創設者、セリーヌ・ボサンヌ(Celine Bossanne)さんは、枝編み細工のトランクの中からワイングラスを二つ取り出した。ちょっとぜいたくな雰囲気だ。

「これがフランス流なの!」と話すセリーヌさん。同社はアウトドアと快適さを兼ね備えた「グランピング」の流行にあやかり、カナダや米国の大自然の中で豪華なキャンプ場を運営している。

 ユートピア・グループが提供する豪華宿泊プランは、1泊当たり140カナダ・ドル(約1万1000円)。専用の浴室とトイレも付いている。

 モントリオールから車で90分ほどの場所にある同キャンプ場は、自然を満喫したいがテントを組み立てたり背中が痛くなったりするのは嫌だというカナダ人と外国人観光客の両方から人気を集めている。

「グランピングでは、大自然の中で眠るというキャンプの醍醐味(だいごみ)を味わうことができます」とセリーヌさん。「でも、ここにはさらにちょっとした工夫もある。快適さです」

 セリーヌさんと夫のフィリップ(Philippe Bossanne)さんは、1999年にユートピアを創設。自然を荒らすキャンピングカーの人気に対抗するためだった。

 それから20年。同社は仏国内で51か所のキャンプ場を運営。2015年には海外にも進出し、ケベック州サットン(Sutton)近郊に国外初のキャンプ場をオープンした。(c)AFP/Clement SABOURIN