【8月27日 AFP】イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)政党・武装組織ヒズボラ(Hezbollah)は27日、首都ベイルートにある同組織の拠点で先週末に墜落したイスラエルのものとみられる無人機(ドローン)に重さ5キロ以上の爆発物が搭載されていたと明らかにした。

 これより前にヒズボラが発表していた内容によると、イスラエルの偵察用ドローンがベイルート南部の上空を飛行し墜落。その後25日未明に、2機目のドローンが飛来し「特定の場所に衝突」したとされていた。

 しかしヒズボラの専門家が1機目の墜落したドローンを分解したところ、およそ5.5キロの重さの密封された爆発装置が搭載されていたのを発見したという。ヒズボラは「最初に飛来したドローンの飛来目的は偵察ではなく、爆発物による攻撃を行うことだった」と発表した。

 ヒズボラはさらに、25日のドローン攻撃には爆発物を搭載した2機のドローンが関わっていたことを確認し、うち1機は爆発したがもう1機は技術的なトラブルで爆発しなかったとの見解を示した。

 レバノンのミシェル・アウン(Michel Aoun)大統領は26日、イスラエルのドローン攻撃は「宣戦布告だ」と激しく非難。ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師もイスラエルとヒズボラの間で発生した「敵対行為」は、2006年のイスラエル・ヒズボラ紛争以来初めてだと述べた。

 イスラエルはドローン攻撃について声明を出していないが、同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は同日、自国を「複数の戦線」におけるイランの脅威から「あらゆる必要手段を講じて」防衛すると述べた。(c)AFP