【8月24日 AFP】今月に入り中国当局に拘束されていた在香港英総領事館の職員、サイモン・チェン(Simon Cheng)氏が香港に戻った。チェン氏の家族が24日、フェイスブック(Facebook)で明らかにした。「休息と回復」にしばらく時間がかかるとしている。

 チェン氏は今月8日、香港に隣接する中国本土の深セン(Shenzhen)へ日帰りの予定で出張。高速鉄道で香港に戻る際、ガールフレンドに税関を通るところだとメッセージを送っていた。

 しかしその後連絡が取れなくなり、数日後に中国当局が、チェン氏は治安管理関連の法律に違反したため深センの警察に拘束されたと発表した。

 深セン警察は中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」で、チェン氏は治安管理関連の法律に違反したため「15日間の行政拘留」処分を受け、24日に拘留を終えて釈放されたと明らかにした。深セン警察は「(チェン氏は)自身が違法な活動をした事実を認めた」としているが、具体的にどのような違法活動だったのかは明らかにしていない。

 中国共産党機関紙、人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)は、深センの警察当局の情報として、チェン氏が「売春婦に声を掛けた」として拘束されたと報じた。

 同紙は23日、チェン氏本人の求めに応じて警察はチェン氏の家族に連絡を取っていなかったが、「この件について大騒ぎした英国の外務省とメディアのおかげで、事件は完全に明るみに出た」とする記事を掲載していた。

 しかし、チェン氏の家族はフェイスブックで、「売春婦に声を掛けたなどというのは、誰の目にも冗談にしか見えない犯罪のでっち上げだ」と報道に反論した。

 中国政府は過去にも、外交論争が生じた際に外国人を拘束したり、反体制派や政治活動家らを性犯罪で告発したりして批判を浴びたことがある。(c)AFP