【8月23日 AFP】ロシア当局は22日、等身大のヒト型ロボット「ヒョードル(Fedor)」を乗せた宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」の打ち上げを行った。ヒョードルは国際宇宙ステーション(ISS)で10日間にわたって、宇宙飛行士らの補助作業を習得する予定。

 ソユーズはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地(Baikonur cosmodrome)からグリニッジ標準時(GMT)22日午前3時38分(日本時間同日午後0時38分)に打ち上げられた。24日にISSにドッキングし、9月7日まで滞在する予定。

 ソユーズは通常有人飛行を行うが、今回は新しい緊急救助システムを試験するため無人で打ち上げられた。打ち上げ時には宇宙飛行士の代わりに、片手に小さなロシアの国旗を握ったヒョードルが、特別に改造された船長席に固定された。

 ヒョードルの名称は「最終実験実証物体研究(Final Experimental Demonstration Object Research)」の略。ロシアが宇宙に送った初の国産ロボットで、「スカイボットF850(Skybot F850)」とも呼ばれる。

 ヒョードルは起立時の高さ180センチ、重さ160キロ。インスタグラム(Instagram)とツイッター(Twitter)のアカウントを持っており、水が入ったボトルの開け方など新しい技術を学んでいると投稿した。ISSでは重力が非常に小さい環境で、手を使った基本的な作業を試験的に行う。

 宇宙に打ち上げられた最初のロボットは、2011年に米航空宇宙局(NASA)が打ち上げたヒト型ロボット「ロボノート2(Robonaut 2)」。米ゼネラルモーターズ(GM)との共同開発で、ヒョードル同様、高リスク環境での作業を行うことを目的としたが技術的な問題が生じ、2018年に地球に帰還した。

 日本では2013年、トヨタ自動車(Toyota Motor)が開発した小型ロボット「キロボ(KIROBO)」が、若田光一(Koichi Wakata)宇宙飛行士とともに打ち上げられた。KIROBOは日本語でのみ会話することができた。(c)AFP/Maria ANTONOVA