【8月23日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は22日、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって発症するがんの約92%は、HPVワクチンの接種によって予防可能だと発表した。CDCは、HPVワクチンの接種率を向上させることが重要な優先事項だと訴えている。

 CDCの最新報告によると、2012年から2016年の間にHPVが原因で発症したと推定されるがんは、年平均約3万4800例だった。このうち年間3万2100例以上のがんを未然に防げた可能性がある。

 HPVによるがんは男女ともに発症し、発症部位は女性器の外陰部や膣(ちつ)、子宮頸部(けいぶ)、男性器の陰茎の他、肛門、中咽頭などに及ぶ。

 米保健省のブレット・ジロワー(Brett Giroir)次官補は、「HPVによるがんを撲滅した未来は手の届くところにあるが、予防接種率を向上させるために今すぐ行動しなければならない」と述べた。

 CDCでは、11~12歳に達した全ての子どもに対し、ウイルスに感染する機会にさらされる前にHPVのワクチンを接種することを推奨している。

 しかし新たな統計によると、13~17歳の予防接種率はほとんど増加していない。CDCの報告はさらに、HPVのワクチン接種は通常26歳以上には推奨されていないが、27~45歳の間で接種を受けたことがなく感染リスクがある場合は、接種の効果を得られる可能性もあるため、医師と相談することを勧めている。

 報告ではさらに、HPVワクチンの接種は子宮頸がんの予防に重要な役割を果たしていると述べ、21~29歳の女性に対しては3年に1度、細胞診検査(パップテスト)を受けるよう促している。さらに「21歳以上の女性でパップテストの結果が不明瞭な場合、HPV検査を受ければ追加情報が得られる」としている。(c)AFP