【8月23日 AFP】シリア政府は22日、反体制派の拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県および隣接するハマ(Hama)県から民間人を避難させるための脱出ルートを設けることを明らかにした。政府は脱出する民間人には避難場所、食料、医療を提供すると発表した。国営シリア・アラブ通信(SANA)がシリア外務省筋の話として伝えた。

 同地域では今年4月以降、政府軍の空爆によって数百人が殺害されている。政府軍は前日、イスラム過激派勢力、および同勢力と協力関係にある反体制派が支配する戦略的拠点であるイドリブ県南部ハンシャイフン(Khan Sheikhun)を実質的に包囲、奪還した。

 シリア政府軍は過去にも、反体制派の支配地域の奪回を武力行使によって、あるいは交渉を通じて試みる前段階で、民間人を避難させるために安全な脱出ルートを設ける措置を取ったことがある。だが民間人の側は、逮捕されたり、戦力が枯渇している政府軍に徴兵されることを恐れ、政府の脱出ルート提供に慎重な態度を示すことが多い。(c)AFP