【8月23日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は22日、パリのエリゼ宮(Elysee Palace、仏大統領府)でボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相と会談した。同大統領は10月末に迫った英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)がEU側との離脱協定なしで断行されることを避けるため、協議を続けることを支持する一方、EU側が大幅に譲歩することを拒否した。

 マクロン大統領は、2017年以降ブレグジット交渉に付きまとってきたアイルランド国境問題をめぐる対立について、「30日」以内に解決策が見つかる可能性もあるとしたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相の発言を受け、向こう1か月で解決策を見いだすことを支持した。

 一方、同大統領は、英・アイルランド間での厳格な国境管理の復活を防ぐ「バックストップ」計画に英政府が反発していることに関し、この計画は「不可欠」だと言明。すべての協議はテリーザ・メイ(Theresa May)前英首相がEU側とまとめた離脱協定案に基づいて行う必要があると述べた。英議会はメイ前首相による協定案を繰り返し拒絶してきた。

 ジョンソン首相は、英北アイルランド地方とアイルランドの境界における国境検問所の再設置を防ぐ方策は「簡単に見つかる」と主張。しかしマクロン大統領は、自身はブレグジットをめぐる「最強硬派」との評価を受けているとし、バックストップ計画の破棄を求めるジョンソン首相を退けた。

 会談では、ジョンソン首相が冗談でテーブルに片足を乗せ、マクロン大統領が笑って応じる一幕があった。(c)AFP/Adam Plowright and Stuart William