【8月22日 AFP】中国にルーツを持たない選手として初めてサッカー同国代表に選出されたブラジル出身のFWエウケソン(Elkeson)が、チームをW杯カタール大会(2022 World Cup)出場に導きたいと意欲を口にした。

 中国スーパーリーグ(1部)で約150試合に出場し、100ゴール以上を記録しているエウケソンは、2013年から中国国内でプレーを続けたことで代表入りの資格を取得。

 中国代表を率いるマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督は、以前から攻撃陣の駒不足を嘆いていたが、その穴を30歳のブラジル出身選手で埋めることを決断した。

 中国国籍を取得したばかりのエウケソンは、9月10日に行われるモルディブとのW杯アジア2次予選で大方の予想通り出場を果たせば、さらに歴史をつくることになる。エウケソンは代表で、「艾克森(Aikesen)」の漢字表記を使う。

 ブラジル出身選手が中国代表としてプレーするトレンドを生み出し得るエウケソンの代表入りをめぐっては、中国国内のサッカーファンで意見が二分している。

 しかし、スーパーリーグの広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)でプレーするエウケソンは、自身を疑う人々を見返したいとして「中国国籍を取得したことで、私は再びW杯出場に挑む中国代表に貢献できるようになった」と話した。

「世界中に伝えたい。『これで正式に新たな挑戦が始まった。私は中国人だ。ここ数年で皆さんが私に与えてくれた愛や気持ちに応えたい』と」「皆さんにはこれまで通り応援してほしい」

 また今回の挑戦を「ギャンブル」と呼んだエウケソンは、中国サッカー界に名を残したいと語り、「新たなチャレンジを求めている。自分の限界を見てみたい」「この7年間に中国の人々が送ってくれた愛に報いたい」「私は迷うことなくこの挑戦に応じた」と付け加えた。

 中国がW杯に出場したのは2002年大会の一度だけで、この時チームは勝ち点を挙げることはおろか、ゴールを決めることさえできずに敗退した。(c)AFP