【8月21日 AFP】ブラジル北部にあるアマゾン(Amazon)の森林破壊をめぐりジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領に対する批判が高まるなか、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は19日、今年1月から8月の森林火災件数が急増したと発表した。

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 INPEが衛星を通じてリアルタイムに集めているデータによると、今年1月から8月の期間に、昨年より大幅に多い7万3000件近くの森林火災が記録された。過去2年間の減少傾向から増加に転じ、2013年以降で最も多いペースだ。今年これまでに南米で起きた森林火災はブラジルが最も多く、2万6453件のベネズエラ、1万6101件のボリビアが続いている。

 世界自然保護基金(WWF)でアマゾン関連プログラムのコーディネーターを務めるヒカルド・メロ(Ricardo Mello)氏は、伐採が増えた影響が森林火災の統計に表れていると指摘した。

 ブラジルではここ数日、複数の都市の空が厚い煙で覆われ、民間の航空便が迂回(うかい)を余儀なくされる事態も発生した。

 環境保護活動家らは、環境問題を軽視するようなボルソナロ氏の発言が、アマゾンで活動する伐採業者、採掘業者、農業者らを勢いづかせていると批判している。

 ノルウェーは15日、ブラジル政府が森林破壊の抑制に背を向けていると批判し、アマゾン熱帯雨林保護のための基金への資金拠出を停止。ドイツも先に同様の措置を取っていた。

 INPEは、ここ数か月間に森林伐採が拡大したことを示すデータを公表したが、ボルソナロ氏はそのデータは虚偽だとして、INPEのトップを更迭していた。

 映像は、ブラジルのテレビ局SBTが13、19、20日に撮影。(c)AFP