【8月21日 AFP】メキシコの首都メキシコ市の裁判所は、コカインの娯楽目的での使用の許可を求めて訴えを起こしていた2人に対し、許可を認める判決を下した。同国の麻薬戦争の解決に取り組む団体「メキシコ・ユナイテッド・アゲインスト・クライム(Mexico United Against Crime)」が20日、明らかにした。判決は上級裁判所による審査を経る必要があるが、同団体は「歴史的な一歩」だと歓迎の意を示している。

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 メキシコ・ユナイテッド・アゲインスト・クライムによると、判決は2人に「コカインの所持、持ち運び、使用」を認めるもので、同様の判決が出されるのはメキシコでは初めて。ただ、販売については認められていない。

 また判決は今年5月に出されたもので、裁判所は医薬規制当局である連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)に2人のコカイン使用を認可するよう指示したという。

 メキシコは近年、厳格な薬物禁止政策から徐々に距離を取っている。左派のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は、薬物の所持・使用などの非犯罪化の検討を繰り返し訴えており、同氏率いる政党「国家再生運動(Morena)」は娯楽目的のマリフアナ(大麻)使用を合法化する法案を議会に提出している。(c)AFP