【8月20日 AFP】男子ゴルフの欧州ツアー(PGA European Tour)は19日、競技のスピードアップを目指して、スロープレーの選手に罰打を科すことを含めた新たな方針を発表した。

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 プレー速度に関して激しい論争が繰り広げられたきっかけは、今月開催されたフェデックス・カップ(FedEx Cup 2019)プレーオフ初戦、ザ・ノーザントラスト(The Northern Trust 2019)で、ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)のスロープレーに批判が集まったことだった。

 今年のドバイ・デザート・クラシック(Omega Dubai Desert Classic 2019)を制しているデシャンボーは、チップショットに2分以上かけたり、8フィート(約2.4メートル)のパットラインを読む際にも同様に延々と時間をかけたりする動画がSNSに投稿されたが、自己弁護としてこれは誤解を招くものだと主張している。

 ライダーカップ(Ryder Cup)の元欧州選抜メンバーで、欧州ツアーの大会委員を務めているデビッド・ハウエル(David Howell)は、「ゴルフ界でプレー速度が話題になっているのは間違いない」と述べた。

 欧州ツアーのコメント文では、2020年シーズンから「レギュレーション(規則)、エデュケーション(教育)、イノベーション(革新)、フィールドサイズ(出場人数)の4項目に焦点を当てる」新たな計画を導入するとされている。

 その日のラウンドで選手が制限時間を「破った」場合、1度目は警告となり、2度目は1罰打が科されることになっている。前の組との間隔が開き始めた場合、後続の組はプレーまでの制限時間が1人目が50秒で、2人目以降は40秒となる。

 前の組から遅れていなければ、最初に打つ選手はプレーまでの制限時間が80秒で、2人目以降の選手は70秒が与えられる。また、40秒のタイムアウトが1ラウンドにつき1度だけ取れることになっている。

 これで現行よりもプレーの制限時間が15パーセント短縮されることになるが、審判員はより積極的に制限時間の取り締まりを行うように指示されるという。

「シーズンを通じて『オン・ザ・クロック(計測)』の常連となっている選手は、罰金の額が大幅に増加すること」になり、「選手がショットを打つまでの時間が短縮される」

「(プレー時間の)計測が15回に及んだ選手は、罰金額が今季は9000ポンド(約116万円)であるのに対し、2020年からは2万6000ポンド(約335万円)を支払わなければならない」

 欧州ツアーは英ウェントンワースGC(Wentworth Golf Club)で開催されるBMW・PGA選手権(BMW PGA Championship 2019)において、全ホールで全組のプレー時間を正確に計測するためのシステム「ペース・オブ・プレー」の試験運用を行うとしている。(c)AFP