【8月19日 AFP】太平洋南西部にあるニューギニア(New Guinea)島のうち、インドネシア領パプア(Papua)で19日、暴動が発生し、地元議会の庁舎が放火された。これに先立つ週末、パプア独立派の学生の活動家らが身柄を拘束されており、これが大規模な抗議行動につながった。

 西パプア(West Papua)州の州都マノクワリ(Manokwari)の現場を取材したAFP記者によると、街頭デモの参加者は数千人に上ったとみられ、人口約13万人の同市全体がまひ状態に陥った。中には、店や車両に放火する、標識を倒す、政府庁舎に投石するなどの行為に及んだ参加者もいたという。

 オーストラリアのすぐ北にある独立国家、パプアニューギニアと国境を接するインドネシア領パプアでは、インドネシア政府による統治への抵抗が長く続いている。

 かつてオランダの植民地だったパプアは、1961年に独立を宣言。その後、国連(UN)の支援の下で行われた独立住民投票を経て、隣国インドネシアが天然資源豊富なパプアを支配下に置いた。ただこの投票には不正があったとの見方が強い。

 インドネシア独立記念日の17日には、同国第2の都市スラバヤ(Surabaya)で、パプア出身の大学生43人前後が当局による催涙ガスを浴びて身柄を拘束された。

 地元メディアとパプア活動家らによると、警察の機動隊が学生寮に突入し、催涙ガスを使ってインドネシア国旗を損壊したとされる学生らを強制連行したという。

 警察は機動隊が催涙ガスを使用したとの報道については否定しなかったものの、学生らは短時間「取り調べを受けた」だけで釈放されたと主張している。(c)AFP