【8月17日 AFP】パキスタン南西部バルチスタン(Balochistan)州クシュラク(Kuchlak)のモスク(イスラム教の礼拝所)で16日、爆発があり、アフガニスタン旧支配勢力タリバン(Taliban)の最高指導者の弟を含む4人が死亡した。タリバン筋とパキスタンの当局者らがAFPに明らかにした。

 タリバンは正式なコメントは発表していないが、メッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」を通じて戦闘員の間で非公式の声明が回覧されており、AFPはそのメッセージで、指導者の弟が死亡したとの情報を確認した。

 タリバンと米政府は現在、アフガニスタンの和平交渉について協議しており、合意は目前とみられている。そうした中で起きた今回の爆発について、現地の警察幹部はAFPに対し、「死者は4人。他に23人の負傷者がいる」ことを明らかにした。

 匿名でAFPの取材に応じたバルチスタン州高官は、死者の中にタリバン最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ(Haibatullah Akhundzada)師の弟、アフマドゥラ・アクンザダ(Ahmadullah Akhundzada)師が含まれると言明。同州の州都クエッタ(Quetta)と、アフガニスタン国境に接する都市チャマン(Chaman)をそれぞれ拠点とする2人のタリバン筋も、アフマドゥラ師が死亡したと述べた。

 タリバン専門家ラヒムラ・ユスフザイ(Rahimullah Yusufzai)氏によると、爆発があったのはイスラム神学校に付属したモスクで、以前はハイバトゥラ師が運営していた。ユスフザイ氏はAFPに対し、ハイバトゥラ師は「指導者になった後にこの場所を離れた」と説明。「弟がこの神学校を運営していた。われわれは弟が殺されたと認識している」と述べた。

 クシュラクの住民らも匿名で、モスクはハイバトゥラ師の一族が所有していたと語った。住民らはまた、アフマドゥラ師はイスラム学者として尊敬されていたがタリバンとのつながりはなく、兄が2016年にタリバン指導者となった後、このモスクを引き継いだだけだと説明している。

 一方、前出の警察幹部は、一族がモスクを所有していたことを否定。AFPに対し、所有者は地元の別の男性だと述べた。この男性は爆発発生時、現地にいなかったという。(c)AFP