【8月16日 AFP】ロシアの首都モスクワで15日、クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)の敷地内から第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)の空襲で投下された不発弾が見つかったと、国営ロシア通信(RIA)が報じた。

 クレムリン警備担当部隊のセルゲイ・フレブニコフ(Sergei Khlebnikov)司令官は、クレムリンの敷地内の建設工事現場から「航空爆弾」1個が見つかったと述べ、「皆さんもご存じのとおり、1941年から42年にクレムリンは爆撃されている」と指摘した。不発弾は解体処理のため、既にクレムリンから搬出されたという。

 ナチスの指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)がモスクワ攻略を目指したモスクワ攻防戦(Battle for Moscow)で、クレムリンはナチス・ドイツ軍爆撃機の第1攻撃目標とされていた。

 モスクワのクレムリンは、欧州に現存する中世の城塞(じょうさい)の中では最も古いものの一つで、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている。歴代ツァーリ(ロシア皇帝)の居城だったが、ロシア革命を経て旧ソビエト政権の中枢となり、現在はロシア大統領府として用いられている。

 大統領報道官は、不発弾発見によってウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のスケジュールに支障が生じることはなかったとメディアに語った。(c)AFP