【8月16日 AFP】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方の停戦ラインで15日、両国による交戦が発生し、5人が死亡した。同地方では、インド政府がジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州から自治権を剥奪して以降、緊張が高まっている。

 第1次印パ戦争後に引かれた停戦ライン「実効支配線(Line of Control)」付近では小競り合いが頻発しているが、今回の交戦は、パキスタン側がカシミールへのインドのあらゆる侵略行為に対処する用意があると警告した直後に発生した。

 カシミール地方のパキスタン側当局は15日、インドによる実効支配線越しの砲撃で兵士3人が死亡したほか、別の原因で2人が死亡したと明らかにした。

 パキスタン軍は反撃でインド兵5人を殺害したと主張しているが、インド軍報道官は15日夜、PTI通信(Press Trust of India)に対し、この主張は「虚構」だと語った。

 別のインド軍当局者はPTI通信に、パキスタン兵が実効支配線越しに迫撃砲や小火器を発射してきたと述べた。

 複数の外交筋はこの交戦に先立ち、国連安全保障理事会(United Nations Security Council)の16日の非公開会合で、インドによるジャム・カシミール州の自治権剥奪の問題が協議されるとAFPに述べた。

 パキスタンは今週、安保理に対し、カシミール情勢をめぐる緊急会合の開催を正式に要請していた。(c)AFP/Bhuvan BAGGA / with Jalees Andrabi in Srinagar