【8月16日 AFP】イスラエル政府は15日、パレスチナ人の扱いをめぐりイスラエルをボイコットする運動を支持してきた米民主党の女性議員2人の入国を禁じると発表した。両議員の入国禁止はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が強く呼び掛けていた。

 イスラエル入国を禁じられたのはイルハン・オマル(Ilhan Omar)、ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)の両議員で、いずれもトランプ氏を痛烈に批判してきた人物。同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、この極めて異例の措置について、必要なものだと説明し、「(両議員の)唯一の目的はイスラエルを傷つけ、イスラエルに対する反逆を扇動することだ」と主張した。

 しかし米民主党の政治家らはイスラエルに再考を要請。パレスチナ自治政府高官のハナン・アシュラウィ(Hanan Ashrawi)氏は「米国民と米議員に対する非道な敵対行為」だと指摘した。

 オマル氏とパレスチナ系のタリーブ氏は、今週末にイスラエルに到着し、同国が占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)に住むタリーブ氏の親族を訪問する予定だった。オマル氏は、イスラエルの決定は「恐ろしい」ものであり、「民主主義の価値観に対する侮辱」だと述べた。

 イスラエルによる発表の直前、トランプ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、「イスラエルがオマル議員とタリーブ議員の訪問を許せば、大きな弱みを見せることになる」とし、同国に両議員の入国を禁じるよう呼び掛けていた。

 イスラエルでは2017年、ボイコットを支持する外国人の入国を禁止する法律が成立した。ネタニヤフ首相は、両議員の訪問にはイスラエルに対するボイコット運動を推進する意図があったことが旅程から示されていると述べている。(c)AFP/Mike Smith