【8月15日 AFP】物議を醸すことで有名な米共和党のスティーブ・キング(Steve King)下院議員が14日、歴史を通してレイプと近親相姦(そうかん)が起きていなければ、地球上に人類は存続しなかったのではないかと発言し、激しい批判を受けている。

 猛烈な保守主義者で、熱心なドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領支持者であるキング氏は、レイプや近親相姦による妊娠であっても、すべての中絶に反対する姿勢を取っている。今回の発言は、同氏の地元アイオワ州で開かれた保守主義の集会で、自身の断固とした中絶反対の立場を正当付ける中で飛び出した。

 地元紙デモイン・レジスター(Des Moines Register)が投稿した動画によるとキング氏は、「われわれの家系図をすべてさかのぼって、レイプや近親相姦で生まれた人を引き抜いたらどうなる? そんなことをしたら、この世に一人もいなくなるのではないか?」と発言。

「今までに起きたすべての戦争、レイプ、略奪を思えば、自分がその結果の一端ではないと証明することは不可能だと分かる」と続け、「われわれ一人一人の命は、他者の命と同じくらい大切であると思いたい」と述べた。

 人種差別的な発言を繰り返すキング氏は、下院の中でも評価が分かれる人物。昨年には、「白人至上主義」という言葉がなぜ攻撃的なのかと疑問を呈した。

 今回の発言は、共和党と民主党双方から批判を呼んでいる。(c)AFP