【8月14日 AFP】世界最大のスマートフォンメーカー、韓国電機大手サムスン電子(Samsung Electronics)が、ウェブサイトで香港と台湾を国扱いしているとの批判が上がった。これを受けて、広告塔を務めていた中国人歌手が13日、サムスンとの契約解除を発表した。このところ世界的な大手ブランドが、中国の「領土の一体性」を侵害したとして相次いで非難を受けている。

 サムスンは、香港と中国、台湾のユーザー向けに、それぞれ英語と中国語の簡体字、繁体字のウェブサイトを提供。この3サイトは「国」リストから選択するため、中国人ユーザーらからの批判につながった。

 昨年12月からサムスンのブランド大使を務めていた、韓国の男性アイドルグループ「EXO(エクソ)」の中国人メンバー、レイ(Lay)こと張芸興(Zhang Yixing)さんは13日、サムスンが「中国同胞の国民感情を傷つけた」として、同社との広告契約を解除すると発表した。

 中国政府は、特別行政区の香港とマカオ(Macau)に加え、同国が統一を要する省の一つと位置付ける台湾を独立国家とみなす動きに非常に敏感になっている。

 数日前には、高級ブランドの伊ヴェルサーチェ(Versace)、米コーチ(Coach)、仏ジバンシィ(Givenchy)、オーストリアのスワロフスキー(Swarovski)も、香港や台湾を国扱いして謝罪している。(c)AFP