【8月14日 AFP】ロシア内務省は12日、首都モスクワで先週10日に行われたデモで機動隊員が女性の腹部を殴る様子を捉えた映像がインターネット上で拡散したことを受け、捜査を開始したと明らかにした。

 映像にはダリア・ソスノフスカヤ(Daria Sosnovskaya)さん(26)が覆面をした機動隊員4人に引きずられ、うち1人に明白な理由もなく腹部を殴られる様子が捉えられていた。視聴回数は36万回を超え、メディアやソーシャルネットワーク上では怒りの声が上がった。

 ソスノフスカヤさんはロシアの独立系ニュースサイト「メディアゾナ(Mediazona)」に対し、障害がある男性が拘束されたことに抗議したところ、警察に連行されたと語った。

 その後、ソスノフスカヤさんは拘束されたほかの人たちと警察署に連行され、弁護士との接見が許されないまま数時間にわたって拘束された末、警告を受けて解放されたという。

 内務省はこの件について内部捜査を開始したと発表し、「罪を犯した者は責任を問われることになる」との見通しを示した。

 来月に予定されているモスクワの市議選に野党候補を立候補させないと当局が判断したことを受け、モスクワ市内ではウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏が再び大統領職に就いた2012年以降で最大規模の抗議デモが続いている。

 一部無許可で行われている自由で公正な選挙を求めるデモはここ1か月続いており、10日に行われたデモではこれまでで最大の6万人が参加した。

 映像は、女性が殴られる瞬間を捉えた映像。10日撮影。(c)AFP