【8月13日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は12日、死者5人を出したロシアのミサイル実験場での爆発事故について、「米国が学ぶ点は多い」との見解を示した。

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 トランプ氏はツイッター(Twitter)に、「ロシアのミサイル実験の失敗から米国が学ぶ点は多い。わが国も同様の、しかしもっと進んだ技術を持っている」と投稿。

 さらに「ロシアの『スカイフォール』の爆発は施設周辺のみならず、さらに広い範囲の大気の状態について人々を心配させている。これは良くない!」とツイートした。

 ロシア国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)の研究員少なくとも5人が死亡した爆発事故は、ロシアが開発中の原子力推進式巡航ミサイル「9M730ブレベストニク(9M730 Burevestnik)」に関連したものだというのが専門家の見立てだ。

 9M730ブレベストニクは北大西洋条約機構(NATO)から「SSC-X-9スカイフォール(SSC-X-9 Skyfall)」というコードで呼ばれており、今年に入ってウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領から称賛も受けていた。

 だが、スカイフォールと同様の技術を持っているというトランプ氏の発言に対し、核拡散防止問題の米国人専門家ジョセフ・シリンシオーネ(Joseph Cirincione)氏はすぐに異議を唱え、「それは奇妙だ。わが国には原子力推進式巡航ミサイルの計画はない」とツイートした。

 シリンシオーネ氏はさらに、「わが国も1960年代に製造を試みたが、冷戦当時の核信奉者にとってさえあまりにばかげた、実現不可能で残酷すぎる計画だった」と書き込んだ。

 ロシアの事故は8日、白海(White Sea)沿岸の北極圏にある軍事施設で起きたが、当局が原子力関連の事故であることを認めたのは10日になってからだった。さらに、爆発により放射線レベルの急激な上昇がみられた。(c)AFP