【8月12日 AFP】韓国政府は12日、日本を輸出管理上の優遇対象国から除外すると発表した。文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は、日本による輸出規制強化を「非常に深刻」と批判しており、日韓貿易戦争は激しさを増している。

 元徴用工訴訟問題をめぐり、日本政府は輸出管理面で優遇対象となるいわゆる「ホワイト国」から韓国を除外。サムスン電子(Samsung Electronics)などの韓国電機大手にとって不可欠な輸出品に関する規則を厳格化した。この対韓輸出規制強化について日本側は、安全保障上の措置だと訴えている。

 この報復として、韓国も優遇対象国から日本を除外すると発表。北朝鮮がミサイル実験を進める中、日韓の安保協力と世界の供給網に及びかねない影響への懸念が広がっている。

 文大統領は12日、側近らとの会合で、日本が20世紀前半に朝鮮半島(Korean Peninsula)を植民地化したことに触れながら、事態の重大性を強調。

「わが国は、過去に日本の帝国主義から多大なる苦痛を強いられた犠牲者として、日本による現行の経済報復を非常‎に深刻に受け止めざるを得ない」と述べ、「経済報復自体が不当であり、歴史問題に根差している点でなおさらそうだ」という見方を示した。

 現在韓国は貿易相手国を、世界の主要な4つの輸出管理レジームの参加国と非参加国という2つのグループに分けている。

 韓国の産業通商資源省は12日、同レジーム参加国ではあるが「国際規範に反する輸出管理制度を運営する」諸国を対象とするカテゴリーを新設。日本だけがこれに分類されている。

 この措置は来月から適用される予定だが、成允模(ソン・ユンモ、Sung Yun-mo)産業通商資源相は、日本との交渉に応じる用意はあるとしている。

 新規定では、韓国企業が「敏感品目」とされる物品を日本へ輸出する際、許可取得に必要となる提出書類が現行の3つから5つに増え、また審査にも最長15日かかるという。(c)AFP