【8月12日 AFP】ホンジュラス出身のホセ・コントレラス(Jose Contreras)さん(31)は、他の移民たちと一緒に密林を通り抜け、貨物列車によろよろとしがみついた。米国とメキシコは米国への移民流入阻止の取り組みを強化することで合意したが、コントレラスさんは米国に行くという夢を諦めるつもりはない。

 メキシコはグアテマラとの国境に兵士数千人を配置しており、米国へ向かう旅はこれまで以上に危険なものとなっている。グアテマラも、移民の流入阻止で米国と合意している。

 4人の子どもを持つコントレラスさんは、新天地を求め毎日のように米国に旅立つ移民の一人で、ホンジュラス北西部サンペドロスラ(San Pedro Sula)を8日前に出発した。

 グアテマラのエルナランホ(El Naranjo)からメキシコ国境まで、33キロにおよぶ国立公園を横切るために26ドル(約2800円)を支払った。さらに40マイル(約65キロメートル)先のメキシコ・テノシケ(Tenosique)まで行くには42ドル(約4400円)かかる。

 テノシケで移民らは「ザ・ビースト(The Beast、野獣の意味)」と呼ばれる貨物列車に飛び乗る。

 コントレラスさんは午前1時、古代マヤ文明の遺跡がある観光の街パレンケ(Palenque)を目指し、ホンジュラス人約50人とともに列車に乗った。

 コントレラスさんによると密入国業者は、移民を捕まえようとしている保安要員が大勢いると脅し移民に恐怖心を植え付け、多くの金を支払わせようとしているという。お金がない人は、指輪や時計など貴重品を差し出すか、置き去りにされるかのどちらかを選ばなくてはならない。