【8月9日 AFP】中央アジアのキルギスで7日夜、汚職容疑を掛けられているアルマズベク・アタムバエフ(Almazbek Atambayev)前大統領の自宅に特殊部隊が突入して前大統領の拘束を試み、支持者らと衝突して隊員1人が死亡、警察署長1人が重体となり、本格的な政治危機への発展が懸念される事態になっている。

 2011~2017年にキルギス大統領を務めたアタムバエフ氏は、後任のソオロンバイ・ジェエンベコフ(Sooronbai Jeenbekov)大統領との対立が深刻化し緊張が高まる中、首都ビシケク郊外の自宅の警備を数週間前に強化していた。

 国家保安委員会が同日、特殊部隊によるアタムバエフ氏の拘束作戦の実施を発表。拘束を阻止しようと、アタムバエフ氏の支持者らが武器や投石などで応酬する中、保健省によると特殊部隊員1人が銃で撃たれ、死亡した。

 検察当局によると、この衝突で民間人23人、治安部隊側の24人が病院に搬送された。

 アタムバエフ氏については検察が汚職容疑での立件を目指しており、今年6月には議会によって不逮捕特権が剥奪されている。同氏は、大統領任期中に著名な暗黒街のボスを突然釈放したことに絡んで警察の出頭要請を3回受けていたが、いずれにも応じていなかった。

 映像前半は特殊部隊の突入の瞬間、7日撮影・提供。後半は銃などで応酬するアタムバエフ氏の支持者や同氏の自宅近くで発生した火災。7日撮影。(c)AFP