【8月9日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は8日、1989年に公開された映画『フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)』の舞台となったアイオワ州のトウモロコシ畑の隣の球場で、来年ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)とシカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)の試合を開催すると発表した。

 試合は2020年8月13日に行われ、アイオワ州東部の田舎町にある畑には8000の仮設席が設けられる。同州でMLBの公式戦が開催されるのは初めて。

 ヤンキースの共同オーナを務めるハル・スタインブレナー(Hal Steinbrenner)氏は、「映画の功績を世に知らしめると同時に、そのような象徴的かつ親密な場所で自分たちの試合を披露できるのはこの上なく光栄なこと」と話している。

「野球がなぜ愛される米国の娯楽であり続けているかを示す試合になることを、心から期待している」

 近年MLBは、印象的な場所での試合開催に積極的で、今年は英ロンドンでヤンキースとボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の試合が行われ、リトルリーグ世界選手権大会(Little League Baseball World Series)が開催されるペンシルベニア州ウィリアムズポート(Williamsport)でも年に1回試合が行われている。また、今年はカレッジ・ワールドシリーズ(College World Series)の舞台であるネブラスカ州オマハ(Omaha)でも試合を開催した。

 MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、「世代をまたぐ歴史を誇るスポーツとして、MLBは『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台でレギュラーシーズンの試合を開催することに興奮している」とコメント。「アイオワの特別なトウモロコシ畑で、野球がどれほど人を一つにする力があるかという映画の不朽のメッセージを祝福できることを楽しみにしている」

 公開から30年を迎えた映画にはケビン・コスナー(Kevin Costner)、ジェームズ・アール・ジョーンズ(James Earl Jones)、レイ・リオッタ(Ray Liotta)、バート・ランカスター(Burt Lancaster)らが出演した。

 ヤンキースとホワイトソックスはこの試合の翌日はオフで、シカゴに移動して残りの2試合を行う。

 会場となる小さな球場の工事は、試合のちょうど一年前の13日から始まる。右翼側にある壁には、ホワイトソックスの本拠地コミスキー・パーク(Comiskey Park)のかつての姿のような窓が設けられ、そこからトウモロコシ畑を眺めることができる。また、観客は映画のようにトウモロコシ畑の間を通ってダイヤモンドに足を運ぶ。(c)AFP