【8月8日 AFP】北朝鮮が銀行や仮想通貨(暗号資産)取引所にサイバー攻撃を行い、最大20億ドル(約2100億円)を違法に取得し、核ミサイル開発の資金に充てていたことが明らかになった。国連安全保障理事会(UN Security Council)の北朝鮮制裁委員会向けにまとめられた報告書をAFPが7日、確認した。

 報告書によると、国連は北朝鮮が「金融機関や仮想通貨取引所を攻撃し、外貨獲得のため『マイニング(採掘)』活動をした」とする、少なくとも35件の報告された事例について調査を進めている。

 報告書は「仮想通貨取引所に対する大規模攻撃により、DPRK(北朝鮮)は従来の銀行部門と比べて追跡が困難で、政府から認識されにくく規制を受けにくい方法で収入を得ることが可能となっている」と説明。「サイバー攻撃主体の多くは北朝鮮の情報機関・人民武力部偵察総局(Reconnaissance General Bureau)の指示の下で活動し、大量破壊兵器プログラム向けの資金を調達」しており、「これまでに推定で最大20億ドルの資金」を取得したと指摘した。

 さらに報告書によれば、北朝鮮は国連制裁に違反して「(洋上での)船の積み荷の移し替え(いわゆる『瀬取り』)」の継続を通じて、ぜいたく品や武器開発関連設備を購入しているという。(c)AFP