【8月3日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のスペインGP(Spanish Grand Prix)が同国カタルーニャ(Catalonia)自治州の支援を受けて来季も継続される見通しとなった。これにより来季のレース数は、史上最多の22戦になる可能性が浮上し、各チームの責任者の意見が分かれている。

 スペイン・バルセロナ北部に位置するカタロニア・サーキット(Circuit de Barcelona-Catalunya)で開催されているスペインGPは、今季で契約が満了するレースの一つで、F1の興行権主である米リバティメディア(Liberty Media)が過密日程から外すことを検討していると思われていた。

 しかしながら、カタルーニャ政府は発表文で「評議会は、カタロニア・サーキットに対し、2020年のスペインGP開催に向けてF1選手権と1年の契約延長にサインすることを承認した」と、スペインGP開催を支持した。

 先月28日にホッケンハイム(Hockenheim)で劇的な決勝レースが行われたばかりのドイツGP(German Grand Prix)がカレンダーから脱落する可能性が濃厚となっている一方で、来季はオランダGP(Dutch Grand Prix)が35年ぶりに復活し、ベトナムGP(Vietnam Grand Prix)も新たに加わることになっている。

 また、英国GP(British Grand Prix)は先月に契約が更改された後、メキシコGP(Mexican Grand Prix)も財政支援が打ち切りになり今季で契約満了を迎えるにもかかわらず継続の可能性が出てきた。さらにはイタリアGP(Italian Grand Prix)も新たに契約を結ぶ見通しとなっており、このためレースは今季の21戦から増えることになる。

 年間のレース数を増やしていくためには、コスト面やとりわけエンジン供給に関して大きな不安材料を抱えるチームの賛同が必要になる。現在のレギュレーションでは、各ドライバーが使用できるエンジンは年間3基までとなっている。

 ハース(Haas F1 Team)のギュンター・シュタイナー(Guenther Steiner)チーム代表は、「われわれとしては、エンジンは3基にとどめておく必要がある」「4基目を投入することになれば、財政的に何の意味もなさない。実際のところ、それはマイナスだ…」とコメントすると、マニュファクチャラーに必要なのは3基で22戦を戦える確証であるとして、「それでやれる自信があるなら、私としては問題ない」と述べた。

 一方、ウィリアムズ(Williams)のクレア・ウィリアムズ(Claire Williams)副代表は、あまり乗り気な様子を見せておらず、F1カレンダーが既存の21戦から増えることに反対する主な懸念材料として、コスト増加をはじめ、スタッフと経費の負担を挙げた。

「レースの数を減らすのが望ましい」「カレンダーに多くのレースを加えすぎると、スタッフの負担がかかりすぎてしまう。ただでさえ市場の競争はかなり激しい」「他にも人材に関する懸念がある。レースが増えれば、パフォーマンス面での重圧が増えて、仕事と生活のバランスが難しくなる」

「小規模なチームにとっては、21レースを超えた日程にどう対処していくのか考えることが非常に難しい」 (c)AFP