【7月31日 AFP】ブラジル北部アマパ(Amapa)州のアマゾン川(Amazon River)奥地で先週、先住民ワイアピ(Waiapi)の指導者が殺害される事件が起きた。その数日後に、武装した採掘業者が先住民保護区の集落を占領する事件があり、警察官らが28日、この集落に配備された。当局とワイアピの首長らが明らかにした。

 アマパ検察当局の発表によると、ワイアピの指導者1人が22日に殺害され、翌日に遺体が川で発見された。

 ワイアピの首長会議がフェイスブック(Facebook)に投稿したところによると、「暴力的」な殺害の目撃者はいなかったが、現場周辺を捜索した結果、「先住民でない者が殺害したことを示す痕跡や証拠」が見つかったという。

 首長会議によると、26日には殺害現場近くの集落で、住民が「武装した非先住民」の集団に追われ、集落が占領されたという。地元メディアは集団について、アマゾンで活動する武装した採掘業者を指す「ガリンペイロ(garimpeiro)」という言葉を使い、その数は50人ほどだったと伝えた。

 検察当局によると、27日に一連の事件が報じられたのを受け、連邦警察官と憲兵隊の特殊部隊が派遣された。翌28日に州都マカパ(Macapa)から約300キロメートル離れたこの集落に到着したという。

 ブラジルの先住民は近年、企業優先の政策を推し進めるジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領政権下で、採掘業者をはじめ、農場経営者や伐採業者の強まる圧力にさらされている。ボルソナロ大統領は27日にも、アマゾンの熱帯雨林に眠る「途方もない量の鉱石」を活用するための支援を「第一世界」の先進諸国に呼びかけていた。

 映像は、ワイアピの生活の様子。2017年10月12~14日に撮影。(c)AFP/Allison JACKSON