【7月31日 AFP】パキスタン首都イスラマバード近郊の陸軍司令部があるラワルピンディ(Rawalpindi)で30日未明、住宅地に陸軍の小型機が墜落し、17人が死亡した。救助当局がAFPに明らかにした。

 救助当局の報道官は「小型機が住宅地に墜落した。これまでに17人の遺体を収容しており、うち12人が民間人、5人が乗員だ」と説明。さらに12人が負傷したと述べた。

 現場は、高級住宅街の近くにある経済的に立ち遅れた村の住宅地。墜落で発生した火の玉が夜空を照らし、住民を恐れさせた。

 住民のモハンマド・サディク(Mohammad Sadiq)さんはAFPに対し、墜落が起きたのは午前2時(日本時間同6時)ごろで、「とても大きな音がして目が覚めた。家の外に出ると大きな炎が見えたので急いで現場に行った」「叫び声が聞こえた。助けようとしたが火の勢いが強すぎてどうすることもできなかった。7人も亡くなった家庭もある。そのほとんどが焼死だった」と語った。

 別の住民、グラーム・カーン(Ghulam Khan)さんは、飛行機が自宅の上を「すごく恐ろしい音」を立てて飛んでいたと話し、飛行機は墜落する前から火が出ていたようだと付け加えた。

 軍は、事故機は日常的な訓練飛行中で、墜落に伴う火災は救助隊が消し止め、負傷者は現地の病院に搬送されたと発表した。

 現場で取材したAFPの記者によると、機体の残骸や破壊された住宅から煙が出ており、近くの家の屋根に機体の破片が落ちていた。火がくすぶり、たくさんの救急車が集まった中、救助隊員は破片を集めたり、現場を調べたりしていた。軍は現場付近を封鎖し、住民はその近くに集まっていた。すすり泣いている人もいた。

 パキスタンは以前から航空機事故が多い。同国史上最悪の航空機事故は、2010年に南部カラチ(Karachi)から首都イスラマバードに向かっていた航空会社「エアブルー(Airblue)」の旅客機エアバス(Airbus)A321型機が、着陸に失敗してイスラマバード郊外の山に墜落し、乗員乗客152人全員が死亡した事故だ。

 映像前半は、墜落後の事故現場。後半は、事故による負傷者ら。30日撮影。(c)AFP/Sajjad TARAKZAI