【7月28日 AFP】スーダンの首都ハルツームで座り込みをしていたデモ隊に多数の死傷者を出した6月3日の強制排除に、準軍事組織のメンバーが関与していたとの調査結果が27日、発表された。

 6月3日未明、武装した軍服姿の男たちが軍本部前で数週間にわたって座り込みを続けるデモ隊を銃撃や殴打などで強制排除し、数百人が死傷した。

 デモ隊と人権団体は、強制排除を実施したのは準軍事組織「即応支援隊(Rapid Support Forces)」だと非難。一方、即応支援隊の隊長は関与を否定してきた。

 しかし、27日に発表された検察と暫定軍事評議会による合同調査結果によると、即応支援隊は他の治安部隊の一部メンバーと共に強制排除に関与していたという。

 暫定軍事評議会は即応部隊と治安部隊への命令について、違法薬物の取引と暴力がまん延しているとされるコロンビア(Colombia)地区の浄化作戦に限定されたもので、デモ隊の強制排除は含まれていなかったと主張してきた。

 検事で調査委員長を務めたファタハ・ラフマン・サイード(Fatah al-Rahman Saeed)氏は、即応支援隊の大尉H・B・Aはコロンビア地区の浄化作戦に関与した後、座り込みデモの強制排除に加わったと明らかにした。またサイード氏は、即応支援隊の将軍A・S・Aが、大佐A・A・Mに命じて即応支援隊の部隊を強制排除に当たらせたのは明らかだと述べた。

 サイード氏は、同じくコロンビア地区の浄化作戦に関わっていた別の治安部隊も、「命令に背き、座り込みデモが行われていたエリアに入った」と話し、強制排除には計8人の士官が関与したと述べた。

 反政府デモを主導してきたスーダン専門職組合(Sudanese Professionals Association)は、今回の捜査には手続き上の問題があるとして結果を受け入れず、独立した第三者による捜査の実施と、関与した人物をイニシャルではなくフルネームで公表するよう求めた。

 デモ隊とつながっている医師らは、6月3日の強制排除で127人が死亡したと主張している。しかしサイード氏は、6月3日に17人が死亡、同日から6月10日までの間に計87人が死亡したと発表した。

 さらに、座り込みデモのさなかに「レイプは一切起きなかった」とした調査結果にデモ隊は激怒し、受け入れなかった。デモ隊側はレイプが多数発生したと主張していた。

 映像は、合同調査結果に抗議する集会。ハルツームで27日に撮影。(c)AFP/Haitham El-Tabei and Jay Deshmukh