【7月28日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は27日、第20ステージ(アルベールビルからバルトランス、59.5キロメートル)が行われ、チームイネオス(Team Ineos)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が前日に奪ったトップを守り切り、事実上の総合優勝を決めた。

 総合勢にとっては形式的な28日の最終第21ステージを無事に完走し、パリへたどり着けば、コロンビアの選手としては史上初めて、また1909年大会のフランソワ・ファベール(Francois Faber、ルクセンブルク)以降では最年少となる22歳の総合王者が誕生する。

 チームメートのゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が1分11秒差の総合2位、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)が1分31秒差の同3位となっている。

 バルトランス(Val Thorens)のヒルクライムでは非常に緊張し、残りの距離を数えながら上ったというベルナルは「まだパリまでの道のりが残っているが、信じられない」とコメントした。

「今は少し落ち着いた。あと5キロ、4キロ、3キロと考えながら、1キロずつ距離を減らして山を上っていった」「フィニッシュ地点へたどり着いたら、ゲラントが手を差し出してきて、それで終わったんだ、自分はツール・ド・フランスを勝つんだと実感できた」

 この日のステージは、悪天候と地滑りによって距離が短縮され、また標高2300メートル超のバルトランスの頂上は気温12度と肌寒い気候の中で行われた。その中で、イネオスの共同キャプテンを務めるベルナルとトーマスは、他の総合勢を若干上回ってフィニッシュ。両選手が満面の笑みを浮かべ、結束の握手を交わした場面が、勝負の終わりを象徴的に物語っていた。

 トーマスは「イネオスとしてはワンツーフィニッシュだし、悪くない終わり方だ。勝てなかったことにはがっかりしているし、去年の時点では、エガンがこんなに早く勝つとは思っていなかった。とはいえ、今は休暇に入れるのが楽しみだ」「きょうという日はエガンのためのもの。とてもしっかりした青年だし、素晴らしいチームと仲間にも恵まれている」とコメントした。

 ステージは2014年大会の総合王者、バーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)が制した。序盤から逃げを打ち、終盤に総合勢を引き離して17秒差でフィニッシュしたニバリは、指を唇に当て、それから天を指しながらゴールラインを通過した。

 各チームが隊列を組んで臨む最終ステージは、夕方にスタートし、日没の時間帯にパリの凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)でフィニッシュを迎える。(c)AFP/Damian MCCALL