【8月3日 AFP】中国人観光客の需要急増を背景に、クルーズ船の旅がブームになっている。だが、環境保護団体は巨大なクルーズ船の急増は、環境破壊をもたらす可能性があると警鐘を鳴らしている。

 クルーズ船の旅が退職者のものだった時代は過ぎ去った。かつては、デッキチェアでくつろぎ、ビンゴゲームに興じ、船内のフォーマルなディナーやダンスを楽しんだりしたものだ。だが、数千人が一度に乗船できる現代のクルーズ船は、海に浮く未来都市だ。最先端技術の娯楽が詰め込まれており、ロボットバーテンダーが飲み物を出してくれる。

 洗練された新型クルーズ船の多くは、急成長する中国市場の取り込みを狙っており、中国の都市を母港(発着地)にしている。中国のクルーズ船市場は今や、米国に次ぐ最大規模となっている。

 中国のオンライン旅行会社「途牛網(トゥニウ、Tuniu)」の広報担当者によると、経済的に豊かになったことで中国人の間で観光ブームが起こり、「クルーズ船熱」が高まっているという。

 クルーズライン国際協会(Cruise Lines International AssociationCLIA)によると、今年の世界のクルーズ旅客数は約3000万人に達する見込みだ。10年前に比べ70%近く増えている。

 世界最大のクルーズ市場である米国は既に市場が成熟しているが、中国市場は急速に拡大中だ。中国の2018年のクルーズ旅客数は約2400万人で、2014年から3倍となった。

 だが、長さ数百メートル、複数階建ての大型クルーズ船が増加していることに対し、環境への悪影響を懸念する声が上がっている。