【7月23日 AFP】第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)は22日、競泳の各種目が行われ、英国のアダム・ピーティ(Adam Peaty)が男子100メートル平泳ぎで大会3連覇を達成した。

 前日の準決勝で世界新記録となる56秒88をマークし、同種目で史上初めて57秒の壁を破ったピーティは、この日の決勝で当然のように金メダルを手にしたが、57秒14というタイムを見たときは浮かない表情だった。 

 24歳のピーティは「少しがっかりしているけれど、来年のモチベーションになる」とコメント。その一方で「どれほど56秒台やそれ以上を目指していたことか」と話し、世界水泳では初の男子100メートル平泳ぎ3連覇を達成したにもかかわらず、頬を膨らませたり頭を振ったりするしぐさを見せていた。

 同種目では主要国際大会で5年間負け知らずのピーティは、世界記録ペースでターンしたものの最後は失速してしまい、「来年の五輪では、準決勝でがむしゃらに泳がず、もっと我慢しなければ」「勢いを抑えて、決勝でそれを解き放たないと」と話した。

 同胞のジェームズ・ウィルビー(James Wilby)が58秒46で銀メダル、中国の閻子貝(Zibei Yan、エン・シバイ)が58秒63で銅メダルを手にした。

 男子50メートルバタフライ決勝では、米国のケーレブ・ドレッセル(Caeleb Dressel)が大会記録の22秒35で優勝し、金メダル獲得数をさらに増やした。ロシアのオレグ・コスチン(Oleg Kostin)が22秒70で2位に続き、ブラジルのニコラス・サントス(Nicholas Santos)が22秒79で3位に入った。

 ピーティ以上に体にタトゥーを入れている数少ない選手であるドレッセルは、前回の世界水泳で7個の金メダルを獲得するマイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏以来10年ぶりの快挙を成し遂げた。

 ドレッセルにとっては、これが初日の男子4×100メートル自由形リレーに続き今大会2冠目。金メダルの数が前回大会を上回る可能性がある中で、「きょうは少し奇妙な日で、朝起きたら心拍数が150もあった」という。

「散歩したり、読書したり、車の動画を見たりしていた。それでも2年前より手応えがある。速く泳ごうとするとあまり調子が出ないから、とにかくすべてをシャットアウトして、本能に頼ることにしている」

 女子100メートルバタフライ決勝では、カナダのマーガレット・マクニール(Margaret MacNeil)がスウェーデンのサラ・ショーストレム(Sarah Sjostrom)を破って金メダルを獲得した。

 2016年リオデジャネイロ五輪で同種目を制したショーストレムは、女子では史上初となる1大会での世界水泳5冠を目指す中で、トップでターンして自身の世界記録を0秒05上回るペースを維持していた。

 しかし、マクニールが最後の25メートルで抜き去り、55秒83で自身初の世界タイトルを獲得。ショーストレムが56秒22で2位に続き、オーストラリアのエマ・マキーオン(Emma McKeon)が56秒61で3位に入った。

 女子200メートル個人メドレーでは、ハンガリーの「鉄の女」ことカティンカ・ホッスー(Katinka Hosszu)が2分7秒53で4大会連続のタイトル獲得を果たし、2位に入った中国の葉詩文(Shiwen Ye、ヨウ・シブン)に1秒以上の大差をつけた。(c)AFP/Alastair HIMMER