【7月22日 AFP】米軍は21日、ベネズエラの戦闘機がカリブ海(Caribbean Sea)の公海上空を飛行中の米偵察機を「攻撃的に追跡」し、「乗員と機体を危険にさらした」と発表した。

 中南米カリブ海地域で軍事作戦を展開する米南方軍(SOUTHCOM)によると、19日にベネズエラのロシア製戦闘機、スホイ30(Su30)「フランカー(Flanker)」1機が、同国首都カラカスの東320キロの離着陸場から離陸し、米偵察機EP3に「危険な距離」まで接近して追跡してきたという。

 南方軍は、「米国は、米国およびパートナー各国の国民の安全を確保するため、多くの国から承認された探知・監視任務をこの地域で日常的に実施している」と説明した。

 この発表とは別に南方軍はツイッター(Twitter)にも投稿し、この行為は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領率いる「不当な政権」に対するロシアの「無責任な軍事支援」や、マドゥロ氏の「違法取引に対する国際的な法の支配や努力を損なう、無謀で無責任な態度」を明白に示すものだと指摘した。

 ベネズエラは、野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が1月に暫定大統領就任を宣言し、政治的混乱に陥っている。米国は、ロシアがスホイ30を含む軍用機をベネズエラ政府に提供してマドゥロ氏を支えているとして非難してきた。(c)AFP