【7月21日 AFP】イラク北部のクルド自治政府は20日、クルド人自治区の中心都市アルビル(Arbil)で17日に発生したトルコ副領事ら3人の殺害事件に関与したとして、容疑者2人を逮捕したと発表した。

 クルド人自治区の治安当局はまず、テロ対策班がトルコ・ディヤルバクル(Diyarbakir)地方出身のマズルム・ダー(Mazloum Dag)容疑者(27)を「主犯」として逮捕したと発表。

 トルコの副領事とイラク人2人が17日に殺害された事件に絡み、ダー容疑者は19日、治安当局に指名手配されていた。

 当局は後に、「マズルム・ダー容疑者の共犯者の一人」と特定した容疑者を逮捕。この容疑者の国籍や、ダー容疑者と一緒に逮捕されたのか、それとも別に逮捕されたのかは明らかにしなかった。

 トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、ダー容疑者は、トルコの主要クルド系政党、国民民主主義党(HDP)の党員デルシム・ダー(Dersim Dag)氏の兄弟だという。

 HDPはトルコの野党第2党だが、分離派の非合法組織「クルド労働者党(PKK)」と関連しているとして、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領にたびたび非難されている。

 これまでに犯行声明を出した組織はないものの、トルコ政府は18日、イラク・クルド人自治区のカンディル(Qandil)山地で、PKKに対する「広範囲にわたる空爆作戦」を開始した。(c)AFP