【7月20日 AFP】ミシェル・オバマ(Michelle Obama)前米大統領夫人は19日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が人種的マイノリティー(少数派)の民主党女性下院議員4人に米国が嫌なら「出て行けばいい」と述べたことに関し、「私たち全員に居場所がある」「私たちの米国だ」とツイッター(Twitter)に投稿し、民主党による同大統領への抗議に加勢した。

 ミシェル夫人はトランプ氏を特に名指しはしていないものの、「私たちの国を真に偉大なものにしているのは、多様性だ…この国で生まれた人も、保護を求めて来た人も、私たち全員に居場所がある」と投稿。「私の米国でも、あなたの米国でもないことを忘れてはならない。私たちの米国だ」と述べている。

 トランプ大統領は民主党の1期目女性議員4人、通称「スクワッド(『分隊』の意)」に対し、米国にいて不満があるなら、ルーツのある国に「帰ればいい」との批判を展開した後、強い非難を受けている。

 民主党が多数を占める下院は16日、同大統領による批判を「人種差別発言」として非難する異例の決議案を採択した。

 しかし翌17日夜、トランプ氏が「米国を再び偉大に」と銘打ち、ノースカロライナ州グリーンビル(Greenville) で開いた集会では、ソマリア生まれのイルハン・オマル(Ilhan Omar)議員に対して「彼女を送還しろ!」とのシュプレヒコールが起こった。テレビ映像には、トランプ氏がシュプレヒコールをすぐにはやめさせず、10秒以上続けさせてから話し始める様子が映っている。

「スクワッド」に対するトランプ大統領の攻撃をめぐっては、一部の共和党議員からも表現を抑えるよう求める声が上がっているほか、人種間の緊張を高め、党派的な分断を拡大する危険もあるが、大統領自身はこうした攻撃を2020年の再選に向けた戦略の柱として打ち出している。(c)AFP