【7月20日 AFP】(更新、図解追加)イラン革命防衛隊(IRGC)は19日、ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で「国際海事ルール」に違反した英国のタンカーを拿捕(だほ)したと発表した。一方で英政府は、ペルシャ湾(Persian Gulf)で船舶2隻がイランにより拿捕されたと発表。ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)英外相は「容認できない」と表明した。

 IRGCの公式ウェブサイト「セパフニュース(Sepahnews)」によると、英船籍のタンカー「ステナ・インペロ(Stena Impero)」が「ホルムズ海峡を航行中、ホルモズガン港湾海事局(Hormozgan Ports and Maritime Organisation)の要請により、国際海事ルールの不順守を理由にIRGCによって拿捕された」。タンカーはその後、「岸へえい航され、法的手続きと、必要な調査のために同局に引き渡された」という。

 タンカー追跡サービス「マリーン・トラフィック(Marine Traffic)」によると、スウェーデン企業が所有するステナ・インペロが最後に位置情報を送ったのは現地時間19日午後9時(日本時間20日午前1時30分)、ホルムズ海峡のララク島(Larak Island)付近からだった。

 ハント外相は声明で、「ホルムズ海峡でのイラン当局による2船舶の拿捕について、非常に懸念している」「これらの拿捕は容認できない」と表明した。英政府は、うち1隻が英国船籍だと確認。もう1隻はリベリア船籍だが、所有者は英企業のNorbulk Shippingと報じられている。イラン側からは、同国の部隊が2隻目の船籍を拿捕したとの発表はない。

 IRGCによる発表のわずか数時間前には、英領ジブラルタル(Gibraltar)の最高裁判所が、2週間前に拿捕されたイランのタンカーの拘束を30日間延長すると発表していた。同タンカーは、制裁に違反してシリアに向かっていた疑いで拿捕された。(c)AFP