【7月21日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)文物考古研究所はこのほど、金沙江(Jinshajiang)中下流域で行っていた青銅器時代古墓群の発掘作業が終了したことを明らかにした。副葬品1000点近くが出土した。

 古墓群は、同省昭通市(Zhaotong)巧家県(Qiaojia)蒙姑鎮(Menggu)蒙姑社区(コミュニティー)段家坪子二組にあり、金沙江南岸の岸から一段高い台地に位置する。海抜は766メートル。同地域は、付近で建設中の白鶴灘水力発電所が完成すると水没することから、同研究所や昭通市文物管理所などが合同考古発掘隊を組織し、今年2月から6月にかけて緊急発掘調査を行っていた。

 発掘を主管する雲南省文物考古研究所の康利宏(Kang Lihong)副研究員は、地層や墓葬形状・構造、出土した副葬品からみて、墓地が青銅器時代初期から春秋戦国時代にかけてのものとの見方を示した。

 今回の調査では6000平方メートルを発掘し、計652基の墓を発見した。墓の形状・構造は竪穴土坑墓や石棺墓、甕棺墓(かめかんぼ)の3種類に分けられる。すべての墓葬で、骨格の欠損(上半身の欠損)や骨格のずれ、矢尻の残留、動物の骨の副葬など特殊な埋葬習慣がみられた。副葬品は998点(組)出土した。うち土器は493点で、かめや杯、つぼなどが見つかった。石器20点、骨器の装飾品297組、海の貝160組、貝器やタニシ28点も見つかった。

 康氏は、今回の発掘で段家坪子の墓地が金沙江中下流域の重要な墓地遺跡であることが暫定的に確認されたと述べ、墓葬は密集しており、墓葬の出土した材料には地域的特徴がはっきりと示されていると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News