【7月18日 AFP】米議会下院は17日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の弾劾手続き開始に向けた決議案の棚上げを、賛成332、反対95で可決した。その数時間後、選挙集会に臨んだトランプ氏は、民主党の女性下院議員4人に対する攻撃を一段と強め、聴衆をあおった。

 決議案は、トランプ氏の民主党議員に対する排外主義的な発言を受け、民主党のアル・グリーン(Al Green)下院議員が提出したもの。発言への怒りが高まる中、相当数の民主党議員が大統領に対する弾劾条項の起草に支持を表明していたが、採決では民主党議員235人の過半数が共和党議員全員と共に棚上げに賛成した。決議案は事実上、廃案となる。

 ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は採決に先立ち、対立の元となる弾劾手続きに着手するのはトランプ氏に関する調査の結末を見届けてからだと記者団に語っていた。

 採決の結果を受けてトランプ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、弾劾の試みは「終わった」と宣言。「合衆国大統領には、二度とこのようなことが起きてはならない!」と述べた。

 さらにトランプ氏は同日、ノースカロライナ州グリーンビル(Greenville)で開いた選挙集会で、「米国を嫌悪する人々」と呼ぶ民主党議員らを再び攻撃。物議をかもした一連のツイートで出身国に「帰る」よう促した非白人議員4人の名前を出し、「彼女らは左派のイデオロギー信奉者で、米国を邪悪な勢力とみなしている」と非難した。

 4議員についてトランプ氏は、「わが国の憲法を破壊したがっている。この素晴らしい国を建てた価値観を排除したがっている」と主張し、軽蔑的な言葉を連発。イスラエルに批判的なイスラム教徒の女性議員、イルハン・オマル(Ilhan Omar)氏の名を出すと、集まった大勢の支持者から「彼女を送還しろ!」とのシュプレヒコールが上がった。

 トランプ氏はまた、メキシコ国境の移民収容施設を強制収容所に例えたアレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏について、トランプ氏が「3つの異なる名前に付き合っている暇はない。コルテスと呼ぼう」と述べ、聴衆を喜ばせた。(c)AFP