【7月18日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は17日、ルーマニアのミルチャ・ジョアナ(Mircea Geoana)元外相(61)を次期事務次長に指名した。旧東側陣営出身者のNATO事務次長就任は初となる。

 事務次長は、事務総長に次ぐNATOナンバー2。事務総長ほど目立たず影響力もないが、かつて東西冷戦(Cold War)時代に「鉄のカーテン(Iron Curtain)」を隔てた宿敵だった旧東側からの抜擢は、NATOとしては画期的だ。

 NATOは、東欧の共産・社会主義体制の崩壊に伴って旧ソビエト連邦の勢力圏に拡大。ルーマニアをはじめとする東欧7か国は、2004年に加盟した。

 イエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長の発表を受け、ジョアナ氏は「ルーマニア人として初めてこのような重要ポストに指名され、本当に光栄だ」とツイッター(Twitter)に投稿した。10月に米国出身のローズ・ゴットモーラー(Rose Gottemoeller)現事務次長と交代する。

 ジョアナ氏は2000年代にルーマニア外相を務め、2009年には大統領選に出馬したが、惜敗した。(c)AFP