【7月17日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)の関連機関の一つ、NATO国会議員会議(NATO PA)のウェブサイト上に、ベルギーなど欧州各国とトルコにある米国の核兵器の配備先が掲載された報告書が一時的に公開され、ベルギーの野党議員らが16日、政府に説明を要求した。

 AFPは、NATO PAの防衛・安全保障委員会向けにカナダのジョゼフ・デー(Joseph Day)上院議員が執筆したこの報告書の草稿を入手。これには、核重力爆弾B61をはじめとする、米国の150の核兵器の配備先とされる欧州およびトルコの空軍基地6か所が詳述されていた。

 これによると、配備先はベルギーのクライネブローゲル(Kleine Brogel)、イタリアのアビアーノ(Aviano)およびゲディトレ(Ghedi-Torre)、オランダのフォルケル(Volkel)、トルコのインジルリク(Incirlik)の各空軍基地とされる。

 4月に書かれたこの報告書は先週修正され、現在はこれらの空軍基地の名称は削除されている。同書の中には、B61は米大統領の権限下のみで使用され得ると書かれている。

 これについてベルギーのディディエ・レインデルス(Didier Reynders)防衛相の報道官は、コメントを差し控えるとした。

 クライネブローゲル空軍基地に米国の核兵器があることは、1980年代後半にベルギーのある閣僚が認めていた。

 環境系政党のサミュエル・コゴラティ(Samuel Cogolati)議員は、この報告書により米核兵器がクライネブローゲルに配備されているという「公然の秘密」が事実であることが証明されたと指摘。「われわれは完全に透明な議論を要求する。このうそをやめ、偽善を終わらせなければならない」とAFPに語った。(c)AFP