【7月16日 AFP】インドのメディアは16日、月面着陸・探査機「チャンドラヤーン2号(Chandrayaan-2)」の打ち上げが前日中止されたのは、ロケットエンジンの燃料漏れが原因だったと報じた。

 15日に予定されていたチャンドラヤーン2号の打ち上げは、予定時刻の56分24秒前に中止になった。インド宇宙研究機関(ISRO)は「技術的な障害」が見つかったとする以外説明しておらず、新たな打ち上げ日程も示していない。

 しかし主要紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)はプロジェクトに関わる匿名の上級科学者の話として、打ち上げ用ロケット「GSLV Mk-III」のヘリウム燃料成分が漏れていたと報じた。科学者は「ヘリウム注入後に、燃料漏れを示す圧力の低下を確認した」と述べ、燃料は数か所から漏れている可能性があったと説明した。

 また英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)は、ISRO幹部の話として「ミッションが自動発射の段階に突入していなかったのは幸運だった。もしそうなっていたら全てが失われていただろう」と報じた。科学者らは今月末の新たな発射時限に間に合うよう「燃料漏れ箇所をふさぐために奔走」しているという。

 インドの防衛研究開発機構(DRDO)元所属の科学者ラビ・グプタ(Ravi Gupta)氏は「今後48時間以内に発射がなければ、適切な発射時限を得るために数か月延期される可能性もある」と述べた。

 映像は打ち上げが中止されたチャンドラヤーン2号。映像前半は12日撮影、後半はISROが撮影・提供。(c)AFP/Arun SANKAR