【7月16日 AFP】オーストラリアの西海岸沖で、目の下に釣り針が刺さった巨大なマンタが、近くにいたダイバー2人に助けを求めるようなそぶりを見せ、辛抱強く待って釣り針を抜いてもらうという出来事があった。

 ダイビングをしていた水中写真家のジェイク・ウィルトン(Jake Wilton)さんは、幅3メートルものマンタが近付いて来る様子を映像に捉えた。

 ウィルトンさんは15日、「僕はこの辺りでシュノーケリングをする観光客のガイドとして活動していて、マンタはまるで僕のことを知っていて、信頼して助けを求めているようだった」「マンタはどんどん近付いてきて、体を広げて目の辺りを僕に見せた」と説明した。

 ウィルトンさんが何度もマンタに向かって潜り、数本の釣り針を外すところから、最後の針を抜いてもらったマンタが去って行くところまでが、素晴らしい映像として収められた。

 ウィルトンさんと一緒にダイビングをしていた海洋生物学者のモンティ・ホール(Monty Hall)さんは「マンタはじっとしていた。ジェイクが釣り針を取ろうとしていることを分かっていたはずだ」とコメントした。

 オーストラリア西海岸沖の一部に多いマンタは、水中生物の中でも最も知能の高い生き物の一つとして知られる。体の幅は最大7メートルまで成長するものもあり、寿命は約50年。アカエイのように毒針を持たず、人間には無害とされている。

 映像はTOURISM WESTERN AUSTRALIAが、オーストラリア西部ニンガルー(Ningaloo)沖で2019年撮影・提供。(c)AFP