【7月16日 AFP】2018年に飢餓状態にあった人は世界で8億2100万を超え、3年連続で増加した。国連の食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が15日、共同報告「世界の食料安全保障と栄養の現状(The State of Food Security and Nutrition in the World)」で明らかにした。

 食料不安は数十年にわたり減少していたものの、2015年から増加。飢餓撲滅は、2030年までの達成を目指す国連持続可能な開発目標(SDGs)の一つだが、実現に向けた流れが逆転している。しかし報告は、同年までの飢餓撲滅の達成は依然として「極めて重要な課題」だとした。

 地域別では、アフリカで栄養不良の人が引き続き多く、人口の約20%に達した。この割合はアジアでも11%を超えたほか、中南米・カリブ海で約7%に上った。

 また、飢餓のような重度の食料不安にある人と、それに至らない中程度の食料不安にさらされている人は、合計で20億人を超えた。

 FAOは、栄養不良で発育が妨げられる子どもを2030年までに半減させるには、現在の取り組みは不十分だと指摘した。(c)AFP