【7月14日 AFP】英大衆紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)は13日、駐米英大使の流出公電の第2弾を公開した。同紙によると、この件で辞任したキム・ダロック(Kim Darroch)前駐米英大使は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がイラン核合意から離脱した理由として、バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領が手掛けた合意だからだと考えていたことが明らかになった。

 ダロック前駐米英大使は2018年5月、公電の中で「米政権はイデオロギー的理由、そしてそれ(イラン核合意)がオバマ氏の合意だという理由から、外交的破壊行為に踏み切ろうとしている」と述べていた。

 2018年5月、核合意からの離脱を思いとどまるようトランプ氏を説得するため、当時英外相だったボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏が米首都ワシントンを訪問した。

 その後送った公電の中でダロック氏は、核合意離脱をめぐってトランプ政権内に分裂が生じているようだと指摘し、ホワイトハウス(White House)には長期戦略が欠けていると批判。さらに、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官はジョンソン氏との会談中、一貫して「大統領の決定」という表現を使い、イラン核合意の離脱から微妙に距離を置いていたと記していた。

 同紙は、ダロック氏のメモにあった内容として、ポンペオ氏は核合意を修正することでトランプ氏を納得させようとしたが、失敗したともほのめかしていたと報じた。

 メール・オン・サンデーは7日、流出公電の第1弾を公開していた。ダロック氏は10日、辞任した。

 一方、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)は、英政府は公電流出について調査し、関与していた公務員1人を特定したと報じた。対外情報部「MI6」と、政府通信本部(GCHQ)傘下の国家サイバーセキュリティー・センター(National Cyber Security Centre)も参加した調査で、英外務省の過去のファイルにアクセスした人物を突き止めたという。(c)AFP