【7月14日 AFP】英国のジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)外相は13日、英領ジブラルタル(Gibraltar)沖で拿捕(だほ)したイランの石油タンカーについて、シリアに向かわないことをイラン政府が保証すれば、解放を働き掛けていく方針を明らかにした。

 イランとの緊張の緩和を目指すハント氏は、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相と「建設的な電話会談」を行ったと述べた。電話会談でザリフ氏は、イラン側は英国との緊張のエスカレートを求めていないと断言したという。

 ハント氏は今月4日に拿捕したタンカー「グレース1(Grace 1)」について、「わが国が懸念しているのは、出発地ではなく目的地だと保証した」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 イラン側も声明で電話会談を行ったことを明らかにし、ハント氏がイランの「石油を輸出する権利」の重要性を明確に示したと述べた。イラン政府は、ジブラルタルでの捜査が「イランタンカーの速やかな解放」につながることを期待しているという。

 米当局はイランタンカーについて、欧州連合(EU)と米国がそれぞれ個別に科している制裁に違反してシリアに石油を運んでいたとみなしている。

 ハント氏によると、英国は「シリアに向かわないとの保証が得られれば、ジブラルタルの裁判所での適正手続きの後、解放を働き掛けていく」方針だという。(c)AFP