【7月13日 AFP】フランスのフランソワ・ドルジ(Francois de Rugy)環境相が、ロブスターなどが並ぶ豪華な夕食会を公費で開催するなど、ぜいたくな生活を送っていたと報じられている。ドルジ氏は12日、こうした状況にもかかわらず辞任しない意向を表明した。

 調査報道で知られる仏ニュースサイト「メディアパルト(Mediapart)」は今週、ドルジ氏が国民議会(下院)議長在任中、豪華な夕食会を開いたと報じた。夕食会には友人らを招いたという。また、夕食会は2017年10月から2018年6月にかけて12回開催されたとも報じた。ドルジ氏は夕食会が行われた事実については否定しなかったが、自身の職務に関するもので「非公式なワーキングディナー」だったと主張した。

 ドルジ氏はニュース専門の民放BFMのインタビューで、「ワイン1本に30ユーロ(約3600円)以上払ったことはない」「甲殻類アレルギー」があるのでロブスターは食べない、飲むと頭痛がするからシャンパンも控えていたと語った。

 メディアパルトはさらに、ドルジ氏は家賃補助の対象となる上限よりも「はるかに高額」な給与を得ていたにもかかわらず、家賃補助を受けて仏西部に公営アパートを借りていたとも報じた。ドルジ氏は仏西部ナント(Nantes)の近くにアパートを借りていたことは否定しなかったが、家主からも賃貸仲介業者からも公営住宅だという説明は聞いておらず、「私の人生で公営アパートに申し込んだことは一度もない」と述べた。

 国務相を兼任し、エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相に次ぐ政府ナンバー2の地位にあるドルジ氏は、自身がずるい立ち回りができる立場にあったと見られているとしても、そういったことはしていないと主張した。

 ドルジ氏は11日にフィリップ首相と2時間にわたって会談した後、「私が辞任する理由は全くない。首相にもそう伝えたし、首相がそうするよう求めてきたことも全くなかった」と述べた。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政権が、経済的不平等と仏指導層の庶民感覚の欠如に端を発し、半年以上続く反政府デモからの立ち直りを目指す中でのスキャンダル発覚となった。

 さらに追い打ちをかけるように、大衆紙パリジャン(Le Parisien)は12日、ドルジ氏の妻が公金で、499ユーロ(約6万1000円)相当の金製のヘアドライヤーを購入していたと報じた。ドルジ氏はこの報道を「うそ」だと主張している。

 ドルジ氏は、自分は「私を攻撃するために送り出された機械」の犠牲者だと述べる一方、疑惑の支出については全額返金すると述べた。映像前半は、ニオール(Niort)のドルジ氏が昼食を取っている建物前で行われた抗議デモ。後半はドルジ氏。(c)AFP/Charlotte MASON