【7月9日 AFP】オランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は8日、コンゴ民主共和国の反政府勢力指導者で、「ターミネーター」の異名を持つボスコ・ヌタガンダ(Bosco Ntaganda)被告(45)に対し、民間人の虐殺や性奴隷化、少年兵の徴募といった戦争犯罪の罪で有罪判決を言い渡した。

 ICCの裁判で、性奴隷の罪で有罪判決を受けたのはヌタガンダ被告が初めて。ICCでは検察側が有罪を勝ち取れない事例が続いて注目を集めており、今回の有罪判決は検察が切に必要としていた追い風となった。

 ヌタガンダ被告の部下らによる行為の中でも特に残虐なものには、赤ん坊や子どもの内臓を取り出したり、頭部をたたきつぶしたりといったものもあった。

 ルワンダ出身の元将軍であるヌタガンダ被告は、計18件の戦争犯罪や人道に対する罪で有罪判決を受けた。これには殺人や、民間人に対する攻撃の指示、民間人の強制退去、レイプ、性奴隷、15歳未満の子どもを戦闘員として徴募した罪が含まれる。

 量刑言い渡しはICCが被害者たちの証言を聞いた後で行われる予定で、終身刑が言い渡される可能性がある。

 これまでICCの裁判で戦争犯罪により有罪を言い渡された被告は、ヌタガンダ被告を含め4人のみ。ICCは2002年に世界の凶悪犯罪を裁く目的で設置されたが、検察側の一連の失敗や、アフリカの容疑者ばかりが対象となっていることで批判を浴びている。(c)AFP/Danny Kemp