【7月8日 Xinhua News】今年世界で1度だけの皆既日食が2日、南米で観測された。それでは、月から見た日食はどんな光景だろう。中国黒竜江省(Heilongjiang)のハルビン工業大学が独自で研究開発した月軌道超長波天文観測の超小型衛星「竜江2号」がこの「奇観」を記録した。

 2018年5月21日、「竜江2号」は嫦娥4号のミッションである中継衛星「鵲橋(Queqiao)」と共に打ち上げられた。質量が47キロしかないこの超小型衛星には、同大学の学生が独自で研究開発した重さわずか20グラムの超小型CMOSカメラが搭載されている。

 同プロジェクトの主要責任者の一人で、同大学博士研究生の韋明川(Wei Mingchuan)氏の説明によると、このカメラは操作が簡単で、自動露出(AE)方式を採用しており、比較的短い間隔で連写が可能。正確な露出を得るため、カメラの視野には月面の一定面積が含まれなければならない。今回の皆既日食の過程で、衛星は月の裏側を通過でき、月が地球をさえぎる前後の数分間を通して撮影することができた。

 北京時間3日未明、同大学の学生チームより指令が出され、日食写真の撮影は予定通り完了した。午後4時、日食写真4枚のダウンロードが完了した。注目に値するのは、この写真の受信が同大学の学生とドイツのアマチュア無線愛好家などが共同で同期的に完了させたことである。

 これらの写真で、人々は地球上に写る黒い月の影を見ることができる。月の影のうち真っ黒な部分のエリアにいる人々は皆既日食を見ることができ、薄黒い部分の人々は部分日食を見ていることになる。

「竜江2号」は7月末に任務を終了する。宇宙ゴミになるのを避けるため、この超小型衛星は7月末に運行を終えた後は月に落ちるようにプログラムされている。(c)Xinhua News/AFPBB News