【7月10日 AFP】アポロ11号(Apollo 11)のニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長は、月着陸船「イーグル(Eagle)」のはしごを伝って月面に降りる間、イーグルの脚部の底の平らな部分が地面に数センチくらいしか沈み込んでおらず、月の表面が非常にきめの細かい粒子に覆われているように見えることを観察した。「まるで粉のよう」だと、アームストロング氏は後に振り返っている。

 そして、「よし、ではこれから着陸船を降りる」と無線で連絡。一呼吸置いて、あの不朽の言葉が発せられた。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大なる飛躍である」

 アームストロング氏によると、これは台本のあるせりふではなかったという。米航空宇宙局(NASA)が2001年に録音した口述史の中で「着陸後に思い付いた」と述べている。

 間近で見た月の様子は、どのようなものか?月の色は太陽の角度によって、茶色から灰色、そして漆黒へと変化する。また、地球より重力が小さく、慣れるまでに時間がかかる。

 アポロ11号の宇宙飛行士、エドウィン・オルドリン(Edwin Aldrin)氏は、「少しジョギングをしてみたが、のろのろとした走りで、スローモーションで動いているように感じた。両足が宙に浮いた状態になることも多かった」と、2009年の著作に記している。

 2時間半に及んだ船外活動で、アームストロング船長は大量の月の石を拾い集め、写真撮影を行った。オルドリン飛行士は地震計と、その他の科学測定機器2台を設置した。残されたモノクロ写真857枚、カラー写真550枚のうち、アームストロング船長が写っているのは4枚だけ。大半はオルドリン飛行士の写真だ。

 2人は月面に星条旗を立て、人類初の宇宙飛行を成し遂げたソ連(当時)のユーリ・ガガーリン(Yuri Gagarin)飛行士の記念メダルを含む、多くの物を月に残した。